【税務メモ】会社をたたむ前に ― 知っておきたい5つの選択肢

〜 解散前に検討しておきたい、事業承継・M&A・転換・休眠のポイント 〜

📌免責事項:
本記事は、筆者が税務を学ぶ中で調べた内容を整理・共有することを目的としており、特定の税務判断を推奨するものではありません。実際の判断にあたっては、税理士等の専門家へのご相談をお願いいたします。

✅ はじめに

お客様から「会社をたたむかもしれない」というご相談をいただき、今回改めてどんな選択肢があるのかを調べてみることにしました。

正直、最初は「たたむか、たたまないか」くらいの発想しかなかったのですが、調べてみると次のような選択肢があることが分かりました。

📋 会社をたたむ前に考えるべき選択肢

  • 子供などに 事業を承継する
  • 会社を 他社へ売却(M&A)する
  • 違う事業に転換して続ける
  • 将来のために 会社を休眠させる
  • そして、最終的に 解散・清算を行う

👪 選択肢①:事業承継(親子間)

事業承継とは、会社の経営権や株式などを 後継者に引き継ぐことです。今回は「親子間の承継」に絞って考えてみます。

◾ 株式の贈与・相続

  • 贈与のケース:贈与税がかかりますが、「事業承継税制」を利用すれば、一定の要件を満たすことで納税の猶予・免除が可能です
     👉 租税特別措置法第70条の7の2
  • 相続のケース:相続税がかかりますが、同様に納税の猶予制度があります
     👉 租税特別措置法第70条の7

📎 参考リンク:
国税庁:事業承継税制(タックスアンサー No.6105)

🔄 選択肢②:事業内容の変更

今の事業を完全にやめてしまう前に、新しい事業を少しずつ始めてみるという選択肢もあります。

◾ ポイント

  • 新規事業には初期費用や運転資金が必要です
  • 旧事業の収益で支えられるかがカギ
  • 繰越欠損金がある場合は、新事業で出た利益と相殺できる可能性もあります
     👉 法人税法第57条

💼 選択肢③:M&A(会社売却)

会社を他の法人や個人に 売却する方法です。いわゆるM&Aです。

◾ チェックすべきポイント

  • 今の事業に買い手がつくか?
  • 収益状況や資産・負債のバランス
  • ブランド力や実績などの無形資産

◾ 税務上の注意

⏸ 選択肢④:休眠

今すぐ使う予定はないけど、将来的に使う可能性がある場合は、休眠(休業届出)という選択肢もあります。

◾ メリット

  • 設立コスト不要で再開が可能
  • 所得がなければ法人税・事業税は発生しない

◾ デメリット

❌ 選択肢⑤:解散・清算

将来的に会社を使う予定が全くない場合は、会社を解散・清算することになります。

◾ 必要な手続き

  • 登記費用(解散・清算結了)
  • 官報公告費用
     👉 会社法第492条
  • 税務申告(解散事業年度と清算結了時)

◾ 借入金がある場合

  • 原則として一括返済の可能性
  • 連帯保証人に返済義務が及ぶ可能性
  • 債務免除益が課税対象になる場合あり
     👉 タックスアンサー No.5350

📝 おわりに

会社をたたむ前に、「本当にその選択しかないのか?」を一度立ち止まって考えてみることが大切です。

  • 子供が後継者になる可能性がある
  • 新しいビジネスに転換するチャンスがある
  • 一時的に休ませておくという選択肢もある

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